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December 07, 2005

『欲望』

B0007PIOPQ欲望
ヴァネッサ・レッドグレーヴ ミケランジェロ・アントニオーニ デビッド・ヘミングス

ワーナー・ホーム・ビデオ 2005-03-25
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原題:BLOWUP
製作:1966年 イタリア、イギリス
監督:ミケランジェロ・アントニオーニ Michelangelo Antonioni
出演:デヴィッド・ヘミングス David Hemmings
ヴァネッサ・レッドグレーヴ Vanessa Redgrave
サラ・マイルズ Sarah Miles
ジェーン・バーキン Jane Birkin
時間:111分

真昼の公園でカップルを盗み撮りした売れっ子カメラマンのトーマス(デヴィッド・ヘミングス)。そのことに気づいたカップルの女性(ヴァネッサ・レッドグレーヴ)は、彼にネガを出せと迫る。しかし、彼女に別のネガを渡したトーマスが本物を現像してみると、そこに映されていたものは…。

★★★☆(7点)

サスペンス的な展開を見せますが、謎は解決されません。哲学的な映画という感じがしました。
「見えるもの・見えないもの」をキーワードにして鑑賞すると、いろいろと分かってきます。
トーマスは写真家で、目に見えるものを撮ります。トーマスはモデルたちに目をつぶらせて待機させます。トーマスの友人の画家が描いていたのは、「だんだん人の姿に見えてくる」抽象画でした。トーマスが骨董屋で買ったのは、何の価値もなさそうだが彼には美しく見えるプロペラでした。骨董屋の店長は、まだ行ったことのない国の夢を見ています。トーマスはある女性に、「見た目の美しさには飽きた。内面だ」と言います。ライブハウスの客たちに価値があった折れたギターのネックも、通行人にはゴミにしか見えない。ドラッグパーティに参加している人々には、幻想が見えているでしょう。そして最後は、パントマイムです。この映画を観る人にも、存在しないテニスボールが見えてくると思います。
ミステリ的な要素にしても、それと同じ観点で見ていかなければならない。僕は実際に事件がなかったとは思いません。重要なのは、それまで見えなかったことが、写真を詳細に分析していくことで、見えたことだと思います。そして死体がなくなったことで、事件があったことが幻想に過ぎないのではないかと疑われるようになったことだと思います。

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