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August 23, 2005

我孫子武丸氏の「叙述トリック試論」を読んだ。
おおむね賛成できるのだけれど気になる記述があった。

“本格”ミステリなどというものにも、もちろん未来なんかない。

僕はこれには断固として反対したい。密室トリック、アリバイトリック、叙述トリックは確かに枯渇するかもしれない。しかしそれが本格ミステリの終わりに繋がるとはまったく思わない。それはトリック中心主義的な考え方だと思う。
英米のミステリ界で、トリックがどのように考えられているのか、残念ながら無知な僕には分からない。だが、日本が今も昔もトリックを偏重していたのに比べて、トリックというものはごく軽く見られている(というか、ほとんど見られていない)のじゃないかと思う。どちらの見方が正しいとかは言わない。だがミステリとはまずなんといっても「謎と解決の物語」であってトリックの物語ではない。
トリックがなくなれば、本格も滅ぶか? そんなことはない。本格の魅力は謎と解決(と推理)の魅力なのであって、トリックはそれを演出するひとつの手段に過ぎない。
それに「使い尽くされたトリックなどない」という泡坂妻夫氏の言葉もある。

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