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May 13, 2005

ジュリアン・シモンズ「二人のエラリイ・クイーンの秘密」

ジュリアン・シモンズ『知られざる名探偵物語』

の中の「二人のエラリイ・クイーンの秘密」を読んだ。他のはまだ読めない;。
ミステリじゃないからネタを明かしてしまうと、「探偵クイーンは二人いた」説を展開する評論。『中途の家』までがエラリーで、以降の作品に登場する「エラリー」はエラリーの弟ダニエルだというのだ。
ダネイ(作家クイーンの片割れ)自身はこの説には反対で、前期と後期のクイーンに違いが見られるのはエラリーが成長したためだ、と弁明している。
僕も二人いるというのはちょっと嫌だなと思う。僕はクイーンのシリーズを、「探偵エラリーが成長していく物語」と捉えているので、変化は当たり前と思っている。むしろその変化がなぜ起こったか、どのように変化したかを読み解くのが面白いと感じる。
しかしこういう遊び心に満ちた評論は大好きだ。


エラリー・クイーン『世界の名探偵コレクション7 エラリー・クイーン』

を読んだ。
収録作は「黒の一ペニー切手の冒険」「いかれ帽子屋のお茶会」「暗黒の館殺人事件」「人間が犬を噛む」「世界一下劣な男」「ダイヤモンドを二倍にする男」「芸術としての殺人」。
最後の三つだけが他の本に入っていないオリジナルの収録作。他のはすでに読んでいた。以下ミニコメ。
「黒の一ペニー切手の冒険」……捻りが効いた作品。手がかりもシンプルでいい。しかし並の出来かな? 少し読みにくい。
「いかれ帽子屋のお茶会」……これは面白い。悪乗りしすだが、好きな作品。
「暗黒の館殺人事件」……『暗黒館の殺人』ではない(笑)。トリックは見当がつくが、あれの使い方がうまい。
「人間が犬を噛む」……間違い殺人ものだが、このパターンにこういうのもあるのか!といううまい作品。伏線もばっちり。
「世界一下劣な男」……ラジオドラマの脚本。面白い。ラジオドラマでもきちんとつぼを押さえて仕事しているのは好ましい。
「ダイヤモンドを二倍にする男」……同じくラジオドラマ。かなりよくできている。が、よくできすぎていて分かりやすいか。一読の価値あり。
「芸術としての殺人」……エラリー・クイーンとバーナビイ・ロスの共同講演に向けて、エラリー・クイーンが雑誌に発表したエッセイ。二人でニヤニヤしながら書いたのでしょう。この講演の内容は記録に残っていないのかな?
あと森英俊氏の解説は多面的なクイーンを短くまとめていて良いです。
クイーンファンにはお勧め。しかしオリジナルの収録は最後の三つだけだから書店で立ち読みするのもいいかもしれない。立ち読みはそもそも良くないかな? 僕はブックオフで100円で買いました。

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