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May 02, 2005

カーター・ディクスン『孔雀の羽根』


を読了。
久々に読むカーで、この作品はいろんなところで高評価を得ていたのを知っていたので、期待して読んだのですが……。
個人的にはいまいちだったかなと思います。ストーリーらしいストーリーはまったくなく、無味乾燥な容疑者の尋問が続きます。カーはストーリーテラーですが、この作品ではその才能はまったく活かされていません。
解決篇で、手がかり索引が出てくるあたりからしても、フェアプレイを意識しているのでしょう。フェアプレイや論理性を意識するあまり、話がぎこちなくなったのではないかと感じられました。もう少し読者を引き込むいつもの魅力を感じさせてほしかったものです。
密室トリックにはひとつだけ大きな偶然の要素があって、そこがどうも納得できません。このトリックもそれほど巧妙なものだとは思えず……。
しかしカーがこのような作品を書いたということは、カーのミステリに対する真摯な姿勢を表しているように思えます。RAYさんのところに、この作品の成立に関する鋭い指摘があります。なるほどと思いました。ページの下のほうにはネタバレがあるので注意してください。

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